文学

ロジャー・ゼラズニイ『Creatures of Light and Darkness』(1969)の続き

盟友サミュエル・R・ディレイニーへのエピグラフに続き、三つの引用文がある。 ハリス・パピルスの「竪琴弾きの歌」 ジョン・ミルトンの戯曲 ウィリアム・ブレイクの詩 と前々回書いたが、https://onedrive.live.com/view.aspx?resid=194F68E4ADDEE47C!117&…

「虎」

ウィリアム・ブレイクの詩で、もっとも人気があるものを 一つだけあげるとするならば、 『無垢と経験の歌 / Songs of Innocence and of Experience』に含まれる 「虎 / The Tyger」であろう。 挿絵画家や銅版画家で生計を立ててたらしいから、詩と絵を銅版で…

ロジャー・ゼラズニイ『Creatures of Light and Darkness』(1969)

ゼラズニイ(Roger Zelazny)の未訳シリーズである真世界(アンバー)(マーリンを主人公にした)の後半(6-9巻分)を読んでたりするのだが(前半の1-5巻は某早川書房から訳出されているが、もちろん絶版である。なんだかな……)、ちょっと洋書コーナーを見て…

『剃刀の刃 / THE RAZOR'S EDGE』(1984)

イギリス人作家サマセット・モームの同名長編(1944)を元に映画化した作品。日本劇場未公開作であるが、ビル・マーレー主演ということなので観た。 ラリー・ダレル(ビル・マーレー)は第一次世界大戦へと赴く。戦地から帰還したが、このまま婚約者イザベル(…

『クイルズ / QUILLS』特別編(2000)

性的倒錯や拷問虐待という退廃したエロス文学で知られ、サディズムの語源ともなったマルキ・ド・サド侯爵。舞台は19世紀初頭フランスのパリ。シャラトン精神病院に幽閉されてからの後半生を描いた作品である。サド侯爵(ジェフリー・ラッシュ)は精神病院に…

汚れちまった悲しみに

仕事を終え、深夜帰宅しようとしたら、夜の虚空に羽毛のような小雪が舞っていました。それを眺めながら、想うことは中原中也の詩。「汚れちまった悲しみに」や宮沢賢治の「永訣の朝」など雪が重要なイメージを持っている美しい詩たち。こういう言葉を口ずさ…