さだまさしの音楽

• • 何となくテレビをつけたらさださんがいた。さださんというと、やっぱり「関白宣言」で有名な人だけど、これも非常にさださんらしいおかしみと味わいのある楽曲であると思うが、グレープというデュオグループの頃の暗めな曲……というか暗すぎる曲……というかその何とも言えないタイトルは何(ﾟДﾟ≡ﾟДﾟ)?……って曲たちがぼくは凄く印象深い。「精霊流し」「無縁坂」……普通の感覚から言ったら、あり得ないタイトルであろう。そこをそう思わせないのがさださんのチカラなのかも。

• • 70年代という時代性もあるが、この暗さというのはドアーズの暗さとは違うだろう。ドアーズのジムの声を聞いてると、深く沈降していってなかなか現世に戻れない気がする。『ハートに火をつけて』や『まぼろしの世界』収録の曲は特にその傾向が強い。さださんの声はいわゆる癒し系ということになるんではないだろうか？　高音でビブラートが掛かっている。ある種のゆらぎ1/fが発生しているんだろうと推測する。前の２つの曲はとても暗い旋律と歌詞だ。でも、その歌の背後にあるものはラブソングで、そこはかとない哀しみと暗鬱とした曲によるカタルシスがどうも気になる存在である。

• • 改めて聴いてみたいと思っていたのだが、調べてみるとＣＤが一頃よりいっぱい出ていて再発されているようだ。これを機会に幾つか買ってみたいなぁと思った次第である。その歌詞の独自性という意味では山本正之と並ぶソングライターなのではないかと、思ってしまったりする。