2004-04-05 『ロードマークス / ROADMARKS』(1979) ロジャー・ゼラズニイ著/遠山峻征訳 サンリオSF文庫刊 SF 小説 [SF作家]ゼラズニイは詩的な作家だ。書いていた日記が消えたので終了……では仕様がない。 とりあえず、読める人は読め。本書にはボードレールの『悪の華』とホイットマンの『草の葉』という二冊の詩集に象られた、人工知能コンピュータが出てくる。言葉の持つイメージの喚起力、カットバックを多用し、非線形に進む考え抜かれた物語構成、あくまでも格好いい登場人物たち、散りばめられたSF的、文学的、神話的ガジェット。それらの醸し出す「揺らぎ」に心を震わせろ。この本が新刊で今はもう読めないのが哀しいぐらいに、お勧めの一冊である。