『キマイラの新しい城』(2004) 殊能将之 講談社ノベルス刊

    • とりあえず、最近読んだ本。殊能本だけあって、一筋縄ではいかない。ハイブリッドな内容。ミステリであるのだが、SF的な楽しみもあり、今回は歴史ミステリ的な面白みもある。一粒で二度美味しいって奴か( ・ω・)? 表題にあるキマイラ(キメラ)という存在自体が合成生物というものであり、ミステリと他要素との融合というものも意図してるのだろう。『美濃牛』(2000)『黒い仏』(2001)『鏡の中は日曜日』(2001)『樒/榁』(2002)に引き続き登場する迷探偵・石動戯作のシリーズではそういう設定上のトリッキーな試みが多いのだが、今作も個人的にはなかなか楽しめた。普通の本格ミステリでは飽き足らない、変格(変なモノ?)好きな人は読んでもいいだろう。