ミステリ

『プレステージ / THE PRESTIGE』(2006)

今年物故した、20世紀最後の巨匠ともいえるハードSF作家アーサー・C・クラークが提唱した「クラークの三法則」なるものがある。その第三法則は特に有名で、よく引用されるものだが、「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない Any suffiently adva…

『フォロウイング / FOLLOWING』(1998)

続いて、クリストファー・ノーラン監督のデビュー作。こちらは本当に低予算というか、ほぼ0に近いらしい。モノクロ映画で、制作・監督・脚本・編集・撮影を兼務し、友人たちと一年がかりで撮影したものだ。 作家志望の青年ビル(ジェレミー・セオボルド 壇…

『メメント / MEMENTO』(2000)

クリストファー・ノーランが監督・脚本した2作目で、制作費900万ドルのインディペンド系ながら、口コミで全米でヒットを記録した。2001年度アカデミー賞脚本賞と編集賞候補。物語の本筋は単純であるが、脚本と構成の妙で魅せるフィルムノワールの佳作で…

三山のぼるさん逝去について

しばらく、何も書く気になれなくて封印していた。ちょっと再開してみる…… 三山のぼるさんが逝去したということを知った。昨年12月2日、享年51歳ということだ。死因は定かではない。が、目覚めてくることなく、朝亡くなられていたのが発見されたようだ。…

『バタフライ・エフェクト / THE BUTTERFLY EFFECT』(2004)

知り合いに薦められた映画だ。バタフライ・エフェクトとはバタフライ効果と言われるカオス理論用語である。気象学者エドワード・ローレンツが考察した気象モデルにおいて、ある非線型方程式(連立常微分方程式)は初期条件の違いによってその解が(決定論的…

『八つ墓村』(1977)

当時は金田一耕助なる探偵が活躍するなどミステリブームが再興し、新倉イワオ氏進行のお昼の「あなたの知らない世界」やら、つのだじろうの『うしろの百太郎』『恐怖新聞』などが本屋に並んでいるのを読んでみたり、ホラーオカルトブームであった。この『八…

朝日ソノラマ、9月に営業停止

朝日ソノラマが解散することになった。書籍の新刊発行は6月いっぱい、既刊本の注文は9月まで受け付けるらしい。夢枕獏の<キマイラ>、菊池秀行の<バンパイアハンターD>、高千穂遙の<クラッシャージョウ>などのジュヴナイル向け小説を読み始めたのは、…

『病院坂の首縊りの家』(1979)シリーズ第5作

これらは書き疲れたので割愛。時間があれば書きます。

『女王蜂』(1978)シリーズ第4作

『獄門島』(1977)シリーズ第3作

市川崑監督×石坂浩二主演の金田一作品群の中では、ぼくがもっとも好む映画作品。市川崑監督は当初これをシリーズの打ち止めにしようとしていただけあって、その完成度は素晴らしいと思う。昭和21年の終戦直後、引き揚げ船で死んだ戦友(映画版では友人雨宮…

『悪魔の手毬唄』(1977)シリーズ第2作

昭和27年、金田一耕助が静養を兼ね立ち寄った、兵庫県の県境にある山村・鬼首村(オニコベムラ)。そこで殺人事件が発生し、事件の背後に村を二分する由良家と仁礼家の存在が浮かび上がり、古くから村に伝わる手毬唄にまつわるものだということが明らかに…

金田一耕助の事件匣 市川崑×石坂浩二 金田一耕助シリーズ 劇場版DVD-BOX

市川崑監督×石坂浩二主演、角川春樹事務所企画、東宝配給の一連劇場公開作品群。前記した、角川映画の記念すべき第1回作品でシリーズ第1作の『犬神家の一族』(1976)に続く、東宝配給作(ここからは純粋に版権は東宝だが、なんとなく角川映画というイメージ…

『エンゼル・ハート / ANGEL HEART』(1987)

何となく、同時に捕獲した絶版ものな店頭在庫っぽいDVD。同じく販売元はジェネオン(旧パイオニア販売作品……いいからさ、優良作品を廉価で継続的に再販してくれ)。 って愚痴はさておき、この映画はたまに現れるオカルトとミステリの見事な融合作品の成功…

『犬神家の一族』(1976) コレクターズ・エディション

邦画の一時期黄金時代を築いた、角川映画制作の記念すべき第1回作品。豪華すぎる俳優の布陣、市川崑監督による美しい映像。大野雄二さんの魅力的な音楽。故・横溝正史氏によるデガダンな血の系譜の物語。 金田一耕助……石坂浩二 犬神松子……故・高峰三枝子 犬…

007アルティメット・コレクション完全限定プレミアムBOX

本年の11月22日に発売されるようです。販売元はソニーではなく、20世紀フォックスらしい。各2枚組のアルティメット仕様で、デジタルリマスターとか、DTS 5.1ch サラウンドリミックスなどが施され、更に一番の売りはたぶん、日本語仕様である。若山弦蔵や広…

007アルティメット・コレクション完全限定プレミアムBOX

何やら、ソニーからいよいよ発売されるらしい。最新作である『007/カジノ・ロワイヤル』の公開に合わせ、今年の11月末に待望の日本語吹き替え版(新録音という話)を収録したDVDとなる噂。 声優陣の希望としては、以下をきぼんぬ(`・ω・´) ショーン・コネリ…

『ワイルドシングス / WILD THINGS』(1998)エロティック・バージョン

舞台はフロリダ州エバーグレーズのブルー・ベイ。その田舎町にある高校で、サム・ロンバート(マット・ディロン)は指導カウンセラーの教師をしていた。町の有力者で資産家の母を持つ女生徒ケリー・バンライアン(デニース・リチャーズ)は、ある日母親にサ…

『大統領の陰謀 / ALL THE PRESIDENT'S MEN』(1976)

後述した映画『サンゲリア』と一緒に見かけて購入したのがこれ。前から買おうと思ってたけど、発売していたのを忘れていた……本編が(・∀・)カコイイ!!のは良質の探偵小説的映画であるのだが、何てたって、待望の吹き替え収録版のスペシャルエディションだよう。ね…

『チャイナタウン / CHINATOWN』(1974)

1937年のロサンゼルスが舞台。ジェイク・ギテス(ジャック・ニコルソン)はチャイナタウンにある地方検事局出身の私立探偵であったが、素行調査などで食いぶちを稼ぎながら、うらぶれた生活を送っていた。水道電力局の部長モーレイの夫人を名乗る女から、夫…

『殺しのドレス / DRESSED TO KILL』(1980)

まずはマイケル・ケインの主演作。監督はブライアン・デ・パルマで、共演者はアンジー・ディキンソン、ナンシー・アレンら。デ・パルマといえば、スティーブン・キングのデビュー作の映画化『キャリー / CARRIE』(1976)、禁酒法時代のアル・カポネ摘発を描い…

sirマイケル・ケイン様とクリストファー・ウォーケン様

『ラスト・マップ 真実を探して』(2004)で共演していたりもする。どちらもいぶし銀で、演技派の好きな俳優なのだが、この映画を見る前にそれぞれが出演している映画を何となく観てしまった。映画の出演キャリアはどちらも長く、デビュー以来ほぼ毎年といって…

『ショーシャンクの空に / THE SHAWSHANK REDEMPTION』(1994)

1は故スティーブ・マックィーンとダスティン・ホフマンが共演した映画で、マックィーン演ずるのは胸に刻まれた蝶の刺青ゆえ、パピヨンと呼ばれた男だ。原作者は本物のパピヨンである故アンリ・シャリエールで、無実の罪で南米ギニアの流刑地・悪魔島に投獄さ…

『パピヨン / PAPILLON』(1973)

脱獄映画

脱獄や脱走劇を扱った洋画といえば、以前紹介した『大脱走』(1963) や『勝利への脱出 / ESCAPE TO VICTORY』(1980)などは名作であるが、これらは第二次大戦の旧ナチスドイツ捕虜となった状況下での集団脱走劇を描いた娯楽色の強いものである。特にオールスタ…

『ホミニッド―原人― / HOMINIDS』(2002) ロバート・J・ソウヤー著/内田昌之訳 ハヤカワ文庫SF刊

たまには最近読んだ本を紹介。まずはあらすじをカバー裏から。 クロマニヨンが絶滅し、かわりにネアンデルタールが進化した世界で、量子コンピュータの実験をしていた物理学者ポンターは、不慮の事故でいずこかへと転送させられてしまった。一方、カナダの地…

『キマイラの新しい城』(2004) 殊能将之 講談社ノベルス刊

とりあえず、最近読んだ本。殊能本だけあって、一筋縄ではいかない。ハイブリッドな内容。ミステリであるのだが、SF的な楽しみもあり、今回は歴史ミステリ的な面白みもある。一粒で二度美味しいって奴か( ・ω・)? 表題にあるキマイラ(キメラ)という存在自…

殊能将之の新刊

殊能将之の新刊が講談社ノベルスから8月刊行予定らしい。タイトルは『キマイラの新しい城』というらしい。ポール・アルテというフランスのミステリ作家をここ近年呼んでいるらしいので、その影響からか副題はフランス語みたいだ。ご本人のサイトでの紹介で…

野沢尚自殺

脚本家・小説家の野沢尚さんが首吊り自殺をしたらしい。享年44歳。ミステリ関係の仕事では殺人や自殺などそういう描写も手がけるであろうが、自ら命を絶つには早すぎる年齢であろうか。彼の小説作品は読んだことがないのだが、死を自ら選んでしまったのは残…

本日はアイザック・アシモフの命日らしい

アシモフといえば、「ロボット三原則」を考案し、それをモチーフにSF小説を書いたことで有名だ。SF小説というか、正確にはSFミステリである。ロボットというガジェットやその世界設定はSFであるが、三原則のジレンマにより、ロボットが起こした事件を扱った…

『犬神家の一族〜誰も知らない金田一耕助〜』

[推理作家]横溝正史の原作をドラマ化したものが放送されている。主演はSMAPの稲垣吾郎。途中から見たのだが、この原作の映像化で最もメジャーである石坂浩二主演、市川崑監督による角川映画『犬神家の一族』(1976)と比べてしまうのは仕方ないことであろ…