『エンゼル・ハート / ANGEL HEART』(1987)

エンゼル・ハート

    • 何となく、同時に捕獲した絶版ものな店頭在庫っぽいDVD。同じく販売元はジェネオン(旧パイオニア販売作品……いいからさ、優良作品を廉価で継続的に再販してくれ)。
    • って愚痴はさておき、この映画はたまに現れるオカルトとミステリの見事な融合作品の成功作のひとつ。原作小説はウィリアム・ヒョーツバーグの『堕ちる天使 / FALLING ANGEL』(1978)で、未読ながら、映画の印象は当時テレビで観てなんとなくく、そこはかとなく不気味なそれが残っている。監督のアラン・パーカーは実話を元にした投獄事件を扱った『ミッドナイト・エクスプレス』(1978)が代表作であろうが、ぼく的にはこちらのが好きである。
    • 1950年代のニューヨーク。うらぶれた私立探偵ハリー・エンゼル(ミッキー・ローク)の元に、ルイス・サイファー(ロバート・デ・ニーロ)と名乗る紳士から人捜しの依頼が舞い込む。探し人は往年の人気歌手ジョニー・フェイバリットという人物で、戦争後遺症によって記憶喪失と致命的な外傷を負っていたというのだが、十年前に入院先の病院から行方不明になったというのだ。多額の依頼料に惹かれエンゼルはその人物の足跡を求め、その元主治医というファウラー医師(マイケル・ヒギンズ)の家を訪れるのだが……
    • ミッキー・ローク……久しく観てなかった俳優さんである。『白いドレスの女』(1981)や『ナインハーフ』(1985)で有名になり、当時は色々日本のウイスキーのCMにも出てたし、80年代セクシー男優としてなんか話題に上っていた。プロボクシングデビューしたりと聞いたりしたけど、映画出演の評判の方はその後さっぱり。どこか陰のある、アウトローっぽい感じのやさぐれ感のある男であるのだが、ここ最近の姿はびっくりである。ハート様(゚Д゚≡゚Д゚)?って感じである。整形やらしたみたいだし、贅肉でぶよぶよー。共演のロバート・デ・ニーロもこの頃が脂が乗り切ったピークである。若くもなく中年すぎるでもなくで、映画によって肉体改造や雰囲気作りをする彼らしい感じが非常に出ている謎の依頼人である。他にはシャーロット・ランプリングも出ていて、この女性も異国情緒ある謎めいていて好きな女優のひとり。オカルトとミステリとか、こういうハイブリッドな佳作映画が観たいと思う今日この頃。