『デビルズ・リジェクト〜マーダー・ライド・ショー2〜 / THE DEVIL'S REJECTS』(2005)

マーダー・ライド・ショー2 コレクターズ・エディションマーダー・ライド・ショー SPECIAL EDITION悪魔のいけにえ スペシャル・エディション コンプリートBOX(3枚組)俺たちに明日はない

    • ヘヴィーロックとかヘヴィーメタルとかデスメタルとかは聴かない(´・ω・`) ってことで音楽の話ではなく、今回は久々に、観た映画の話。話の繋がりが見えないかもしれぬが、この映画の監督はロブ・ゾンビというミュージシャンである。1985年にニューヨークでホワイト・ゾンビというバンドを結成し、今はソロで活動してる人らしいが、その手の音楽をしてる。まぁ、名前からも察せられる通りホラーマニアであり、それが講じたのどうか知らぬが、2003年に映画監督としてもデビューを果たしのが『マーダー・ライド・ショー / HOUSE OF 1000 CORPSES』である。副題に続編として匂わされた本作なのだが、その前作は未見ゆえ語ることはできないけれど、どうやら70年代のホラー諸作へのオマージュ的なシーンがちりばめられたB級殺人ホラー映画のようだ。特にトビー・フーパーの監督した伝説的カルト映画『悪魔のいけにえ / THE TEXAS CHAIN SAW MASSACRE』(1974)をリスペクトしているようであり、これもテキサス田舎町を舞台にした、ある殺人鬼一家の物語である。機会があれば前作も観ようとは思うが、その殺人鬼一家が帰ってきた……
    • テキサスの田舎町。大量殺戮を繰り広げたファイアフライ一家の所行が暴かれた。ジョン・クインシー・ワイデル保安官(ウィリアム・フォーサイス)率いる警察の大部隊は彼らを追いつめんと、その住処を包囲した。兄オーティス(ビル・モーズリイ)と妹ベイビー(シェリ・ムーン・ゾンビ)は辛くも急襲から脱するが、母マザー・ファイアフライレスリー・イースターブルック)は捕まってしまう。別行動していた父キャプテン・スポールディング(シド・ヘイグ)と合流し、虐殺を続けながら逃亡する一家をワイデル保安官は執念で追い続ける……
    • ミュージシャン出身のカルト作品ということで、はっきりいってそんなに過度な期待はしていなかったのが本音であるが、面白い。その殺人シーンは残酷の極みであり、誰にでも勧められるわけではないけれども、今作と前作では映画作りのベクトルが異なっているようである。いわゆる、60年代後半から70年代にかけて顕れた、アメリカン・ニュー・シネマ的作風が混ざっているのだ。これは反体制・反社会的な思想や行動原理を標榜する人間(多くは若者)が刹那的な暴走の果てに最後には時代の波に飲み込まれ、ディストピア的社会の中で圧死してゆく如き映画作品群の総称である。多の中に埋没してゆく個の無力感。ベトナム以後という反戦運動。人種差別。ヒッピーとドラッグカルチャー。暗中模索。ブレイクスルー。
    • いわずもなが、血みどろグチャグチャが嫌いな人はやめた方がいいけどね(´・ω・`)