2004-05-31 『この人を見よ / BEHOLD THE MAN』(1969) マイクル・ムアコック著/峯岸 久訳 ハヤカワ文庫SF刊 SF 小説 上記のAAで何となく思い出したのが、<エルリック・サーガ>シリーズで有名なムアコックのSF。彼のファンタジー作品は一部持っているのだが、未だに積読状態だったりする。SF的要素を絡めたり、従来のヒロイック・ファンタジーからの脱却を試みていたり、彼の描く世界はどこかで繋がっているらしい。 『この人を見よ』はいわゆるイエス・キリストの存在に脚光を当てた時間SFもの。つまり、主人公の神秘主義思想の科学者がタイムマシンを開発して、キリストを見に行く訳である……ネビュラ賞も受賞している。ぼくはこの話は結構好きで、某創作小説で尼僧キャラを登場させたのにも何となく関係があったり、第2部のエピグラフで引用されている詩人ウィリアム・ブレイクのとある詩も格好良かったので、その中でちょっと訳は変えてあるが引用している。