『ライフ・アクアティック / THE LIFE AQUATIC WITH STEVE ZISSOU』(2005)
-
- ウェス・アンダーソン監督&ビル・マーレー関連。ウェス・アンダーソン監督作品は2〜4。1はビル・マーレー主演リチャード・ドレイファス競演の怪作。重度の神経症を煩うボブ役をマーレーが、精神科医をドレイファスが演じている。ドレイファスといえば、『ジョーズ / JAWS』(1975)『グッバイガール / THE GOODBYE GIRL』(1977)『未知との遭遇 / CLOSE ENCOUNTERS OF THE THIRD KIND』(左同)で有名なの性格俳優であるが、薬物に溺れ80年代前半はパッとしない。『張り込み / STAKEOUT』(1987)ではなかなか素晴らしいはっちゃけぶりを見せているが、ドレイファスはやっぱりしみじみしたヒューマンタッチな作品が似合うように思う。 この『おつむてんてんクリニック』もコメディを強調しすぎている感がある。このふたりがいるなら、最後にはホロリとできるものを期待したかった。まぁ、監督がフランク・オズだから……
-
- さて、アンダーソン作品。2と3はマーレーは助演、4が主演。『天才マックスの世界』はジェイソン・シュワルツマン演ずるマックス少年が美人教師に恋をし、ハチャメチャを繰り広げるいわゆる青春映画だ。会社社長でマックスの友人となるマーレーもいい味だしていて、彼はゴールデン・グローブの助演男優賞などを受賞。3はまだ途中なので保留。4は素晴らしい。観た方がいい。なんとなく泣ける映画。海洋冒険家でドキュメンタリー監督であるズィスーを演ずるマーレーを見ていると晩年のいかりや長介を思い出す。脇を固める俳優陣は『プラトーン / PLATOON』(1986)のウィレム・デフォー、『アダムス・ファミリー / THE ADDAMS FAMILY』(1991)のアンジェリカ・ヒューストン、『ザ・フライ / THE FLY 』(1986)のジェフ・ゴールドブラムなど豪華である。映像、音楽、俳優陣凝りに凝った作品といえよう。『ライフ・アクアティック』の特典ディスクで、イタリアのトーク番組モンド・モンダに出演したとき映像が入っているのだが、司会のアントニオ・モンダ氏のアンダーソン監督に対する、16分に及ぶイジメの如きインタビューは必見。