『評決 / THE VERDICT』(1982)

評決

    • 『評決』は久々にDVD化された法廷ものの傑作。主演の弁護士フランク・ギャルビンを演じるのはポール・ニューマン羽佐間道夫)、謎の女ローラに、『愛の嵐』『オルカ』のシャーロット・ランプリング弥永和子)、被告側の弁護士エド・コンキャノンにジェームズ・メイソン(平林尚三)、ギャルビンの友人ミッキー・モリッシージャック・ウォーデン(大宮悌二)などなど名優揃いで、アカデミー賞候補多数ある。『十二人の怒れる男』(1957)で監督デビューを飾ったルメット監督が原点回帰をし、落ちぶれた酔いどれ弁護士が法廷の正義を求めて、再起しようとするポール・ニューマンを軸に秀作に作り上げた。ポール・ニューマンはよくしゃべってるおちゃらけた雰囲気があるんだけど、この弁護士役では沈黙をうまく使い、気持ちを表現することにも成功しているといえよう。法廷での熱弁との対比で、効果的に無言の演技を採用しているのだろう。密室劇の傑作『デストラップ・死の罠』(1982)と同時期に作られたが、この後の80年代中盤以降のルメット作品は世辞にもパッとしないので、少々残念である。

愛の嵐-無修正ノーカット完全版-デストラップ 死の罠