『アラビアのロレンス / LAWRENCE OF ARABIA』(1962)

アラビアのロレンス [DVD]

    • 雄大で苛烈な砂漠の景色、人馬乱れる群像劇は壮観である。モーリス・ジャール作曲、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団による異国情緒溢れる音楽、特に序曲(映画は始まっていないので真っ暗)から、バイクで疾走するロレンスを映し出すオープニングに繋がる流れは見事だ。幕間のインターミッションがあったりするのも時代性か。故アレック・ギネスもいい味出している。英国人でありながら、アラビアに順応してゆくT・E・ロレンスはエキセントリックである。が、やがて英雄視され、アラブ民族の独立という理想と戦争の持つ狂気の狭間で揺れ動く、ロレンスの孤独な姿は悲壮感に満ちている。久々に、長大な映画を観たという気がする。