『剃刀の刃 / THE RAZOR'S EDGE』(1984)
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- ユルイ映画だろうからと期待せずに見た。まぁ、なかなかビル・マーレーは自然でいい感じがした。随所にその独特な表現はあるわけだが、それも抑え目。イザベルの伯父で、パリに住む貴族エリオット・テンプルトンに故デンホルム・エリオットが扮してたり、兄のブライアン・ドイル=マーレイが戦地の上官ピードモンドを演じてたり、渋めを揃え、そこら辺の脇役はツボを押さえている。
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- 『3人のゴースト』(1988)に 『恋はデジャ・ブ』(1993)という名作や、最近の『ロスト・イン・トランスレーション』(2003) や『ライフ・アクアティック』(2005)などという映画で、シリアスさが同居した役を演じるビル・マーレーはぼく的には珍しくないが、元々そういう演技ができる人なのだなぁという再発見はできた。いわゆる、コメディーの絶頂を極めんと志向する己を戒める如く、マーリー自身が自分探しをしたくなったのかも、という邪推がないわけでもないが、悪くない映画だ。同年公開の『ゴーストバスターズ』(1984) で頂点を極めるのだが、人生の奥義はきっとマシュマロマンかもしれない……