『くたばれ!ハリウッド / THE KID STAYS IN THE PICTURE』(2002)

くたばれ!ハリウッド [DVD]

    • ハリウッドの映画製作会社パラマウントの70年代黄金期を築いたともいえる伝説的プロデューサー、ロバート・エヴァンスの自伝を元に映画化されたドキュメンタリー。ひょんなことから映画界に入る経緯から、1966年に石油資本のガルフ+ウエスタン社が買収したパラマウントの製作担当副社長へ転身し、当時低迷していたパラマウントを70年代に掛けて、『ローズマリーの赤ちゃん / ROSEMARY'S BABY』(1968)、『ある愛の詩 / LOVE STORY』(1970)、『ゴッドファーザー / THE GODFATHER』(1972)、『チャイナタウン』(1974) などの制作に関わり、一大メジャーに押し上げる栄光の一方で、その後のスキャンダルに巻き込まれてゆく波瀾万丈の映画人生が様々な映像資料を折り込まれながら綴られた興味深い自伝映画である。
    • ナレーションを担当しているのもエヴァンス自身で、日本語吹き替えが広川太一郎で味わい深い演出である。元妻の女優アリ・マッグロー、悪友仲間ジャック・ニコルソンダスティン・ホフマンら名優たちとの交友関係や名作の映画製作の事情裏も窺える。彼のいい脚本こそ映画の基本という信念は頷ける。有名な俳優陣の出演料や制作費にお金を掛け、CGや特撮に力を注いでも、結局は脚本がよくなければ面白くないのだな。

チャイナタウン 製作25周年記念版 [DVD]