『地雷を踏んだらサヨウナラ』(1999)

地雷を踏んだらサヨウナラ

    • とりあえず、今のマイ・ブームは浅野忠信ということで買ってきた。1973年11月29日、カンボジアで戦場カメラマンとして活動していた一ノ瀬泰造が11月22日(あるいは23日)に消息を絶った。十年後の1982年に遺体が発見され、死亡が確認される。享年26歳であった。
    • その故・一ノ瀬泰造の足跡を綴った自伝映画。奇しくも主演は1973年11月27日生まれの公開当時の1999年に26歳である浅野忠信。一ノ瀬氏のポートレートなどを見ると、驚くほど浅野忠信と風貌が被るのはできすぎであろうか。いや、死と再生ってのはあり得るのかもしれないと感じなくもない。
    • 以前、深夜にやっていった本作を観たとき、感慨深く観たように思う。前後して携わっていた、ネット上での某創作小説でぼく自身、カメラマンをサブキャラクタとして扱っていたことも関係していたのかもしれない。戦争の悲劇を描いた映画は数多いが、ラストの見事な断ち切りシーンまでの2時間弱……戦場の空気を感じられるだろう。