『レポマン / REPO MAN』(1984)

レポマン [DVD]

    • 最近観た映画。ちょっとマイナーというか、毛色が違うものが観たくなり、アレックス・コックスというインディーズ出身の映画監督のメジャー長編デビュー作を何となく手に取ってみた。だが思いの外面白かった。
    • 上司と喧嘩し、仕事先を首になった青年オットー(エミリオ・エステベス)はある日、風変わりな男バッド(ハリー・ディーン・スタントン)と知り合った。バッドはローン未払い客の車を差し押さえ、お金をrepossess(取り立て)する男──つまりレポマンであり、結局オットーはその仕事をすることになってしまう。取り立て業に同行しながら仕事を覚えてゆくうちに、高額懸賞金のかかった車の情報を得る。一攫千金を狙いその車を捜索するのだが……
    • アナーキー感に溢れた映画だ。エミリオ・エステベスは最近、当たり映画に出てないためか、姿を観るのは久々だ。元々童顔だが、凄く若い。知名度でいうと、父のマーティン・シーンや弟のチャーリー・シーンのがあるわけだが、『アウトサイダー / THE OUTSIDERS』(1983)や『セント・エルモス・ファイアー / ST. ELMO'S FIRE』(1985) 、『ヤングガン / YOUNG GUNS』(1988)といった出演作と同様に、ここでも彼独特の青臭さというか、青春の暴走といういい感じで出ている。共演のハリー・ディーン・スタントンは、『エイリアン / ALIEN』(1979)でも整備士ブレット役を好演していたが、どこか飄々とした演技がいい。この監督の映像はパンクでシュールでぶっ飛んでる。このコックス監督はイギリス出身だが、冒頭で、イギー・ポップの曲を使って全編がアンチ良俗って作風だが、オックスフォード大学で法学を学んでいたということもあり、かなりのインテリのようだ。以後、色々と異色作を作っているが、今は結局メジャー路線のハリウッドに別れを告げ、独自路線を疾走している模様。えぇ、この映画の発想には驚きましたとさ(・∀・)アヒャ!!