『ファイブスター物語』XII巻 永野護著 ニュータイプ100%コミックス刊(角川書店)

ファイブスター物語 (12) (ニュータイプ100%コミックス)

    • 前巻XI巻から三年ぶり、きたる4月10日にいよいよ発売となる待望のXII巻である。それを発売日前にゲットした。都市部では金曜から出ていた模様。
    • もう追いかけてだいぶになる……本格的に読み始めたのは世の世知辛さに染まらず、まだ紅顔の美少年であった頃(ちょっと誇張)……日本を代表するデザイナー、クリエイターのひとり、永野護が描く壮大なSF叙情詩である。
    • FSSを手に取ったのは発売から数年経ってからのことで、最初書店で見かけてたときは「何だろうこれは?」と思っていただけであった。知人にそれを読んでいる者がいて、読んでみたら面白いわけである。絵は決して綺麗ではないが、永野さんの描くロボットというか、モーターヘッド(MH)のデザインは画期的であり、ファティマと呼ばれる人造人間の少女たちが騎士と共にMHを操り、時間を過去未来へと縦横する、物語性には引き込まれた。
    • だが、この永野さんのFSSが雑誌に連載されるのは長い休載期間を挟んでの年の何割かというレベルであり、各所で会うSF読者の知り合いとFSSの話題になると、「休まないで書いてくれればいいのにね」というのはお決まりの会話として出てくる。
    • ぼくが好きなMHはクバルカン法国のミューズ・バン・レイバック卿が操る「破烈の人形」バングこと、S.S.I.クバルカンである。*1彼は全然出てこないのでここ数年は非常に寂しい限りだが、2〜3年に一度刊行される本書はSFファンにとってはある種のお祭りであり、新刊が出るたびに最初から読み返す日々がまた繰り返されそうな気がする。